F22ってどんな戦闘機?

今回はF22について紹介したいと思います。
F22は1980年代に開発された第5世代戦闘機です。
「空の王者」とも呼ばれるアメリカの戦闘機で、
2024時点で200機ほどが製造されましたが、
高額な製造コストや他の戦闘機との
役割分担のために、2011年に製造が終了しています。
愛称はラプターで、猛禽類を意味します。
ステルス性能、高機動性、アビオニクスの先進性、
兵装の多様性、スピードと高度を
兼ね備えている制空戦闘機です。
そんなF22ラプターをもっと詳しく説明していきます。

F22に搭載しているミサイルは?

F22は色々なミサイルを搭載しています。

  1. AIM-120 AMRAAM              中距離空対空ミサイルで、敵機を遠距離から迎撃できます。
  2. AIM-9X サイドワインダー 短距離空対空ミサイルで、近距離戦闘に適しています。
  3. GBU-32 JDAM                    GPS誘導爆弾で、地上目標への精密攻撃が可能です。

これらの兵器は、F-22のステルス性能や機動性と組み合わさることで、戦場での優位性を確保する役割を果たしています。そして、ミサイルや爆弾を機体内部に格納し、
ステルス性能を向上させています。

F22の詳細と特徴

冒頭で説明したようにF22はとても高い戦闘能力を持っています。
どのような特徴があるか、その理由をここで紹介します。

特徴

1. ステルス性能 レーダーに発見されにくいデザインや特殊コーティングにより、
高いステルス性能を誇ります。
2. 超音速巡航 アフターバーナーを使用せずに超音速で飛行できる「スーパークルーズ」能力を持っています。
3.高い機動性 べクタード推力技術により、驚異的な機動性を実現。これにより、空中戦での優位性が向上しています。
4. 先進的なセンサーとアビオニクス 周囲の戦術環境を把握するための高度なセンサーシステムを備えています。また、敵の動きを検出し、対処する能力があります。
5. 多用途性 空対空戦闘だけでなく、地上攻撃や電子戦支援など、さまざまなミッションを遂行可能です。


理由

1の特徴の理由

1つ目 レーダー反射断面(RCS)の低減 機体の形状は、レーダー波を分散または吸収するようデザインされています。特に、角度のついた表面や曲線が特徴的です。
2つ目 特殊コーティング(RAM: Radar Absorbing Material) 機体には、レーダー波を吸収する特殊な素材が使用されています。このコーティングが、敵のレーダーでの検出をさらに困難にします。
3つ目 排気の熱抑制 エンジンからの排気を冷却することで、赤外線探知を回避します。この機能は、赤外線追尾ミサイルからの攻撃を防ぐ上で重要です。
4つ目 電波放出の管理 必要以上の電波や通信信号を放出しないよう制御するシステムが搭載されており、電子戦にも強い性能を発揮します。

2の特徴の理由

1つ目 高性能エンジン F-22にはプラット&ホイットニー製F119-PW-100ターボファンエンジンが搭載されています。このエンジンは、強力な推力を提供しながら効率的に燃料を消費するよう設計されています。これにより、アフターバーナーなしでも超音速飛行が可能になります。
2つ目 空力的に洗練されたデザイン 機体は、空気抵抗を最小限に抑え、超音速での効率的な飛行を実現するために設計されています。特に、ステルス性能を保ちながらも高い空力性能を兼ね備えています。
3つ目 軽量素材の採用機体の構造には軽量で高強度な複合材料が使用されており、余分な重量を抑えつつ機体の全体的な性能を高めています。
4つ目 燃料効率と航続距離 スーパークルーズは燃料消費を抑えることができるため、ミッションの持続性が向上し、作戦範囲も広がります。

3の特徴の理由

1つ目 推力偏向(ベクタード・スラスト)技術 エンジンの排気ノズルを動かすことで推力の方向を制御することができ、非常に鋭い旋回や高度な動きを可能にします。
2つ目 軽量構造と強力なエンジン 高性能なプラット&ホイットニー製F119-PW-100ターボファンエンジンが搭載されており、大きな推力を提供しつつ、機体の軽量構造がスピードと機動性を支えています。
3つ目 ステルス性のための設計と空力性能 ステルス性を維持しながら機体の空力性能を最大化するデザインが施されています。これにより、効率的な飛行と高い機動性が可能です。
4つ目 高度なフライトコントロールシステム デジタルフライ・バイ・ワイヤシステムを採用し、パイロットが微細な制御を行うことができるようになっています。

4の特徴の理由

1つ目 集積回路技術の進歩 高性能で小型化された集積回路により、アビオニクスの機能が向上し、機体に複数のセンサーや通信システムを組み込むことが可能となりました。
2つ目 統合モジュラーアビオニクス(IMA: Integrated Modular Avionics)これは、複数のシステムを1つのプラットフォーム上で統合する技術で、性能を最適化しつつ軽量化と省スペース化を実現しています。
3つ目 高性能プロセッサとソフトウェア 複雑なデータをリアルタイムで処理するための先進的なプロセッサとソフトウェアが搭載されており、多量の情報を短時間で分析する能力を持っています。
4つ目 センサー技術の進化 AESA(アクティブ電子走査アレイ)レーダーなどの高度なセンサー技術が進化したことで、情報収集能力が飛躍的に向上しました。
5つ目 データフュージョン技術 複数のセンサーから得られるデータを統合・解析することで、パイロットに分かりやすい情報を提供する技術が大きな役割を果たしています。


5の特徴の理由

1つ目 高度なセンサーフュージョン技術 F-22は、複数のセンサーから得られる情報を統合して解析し、パイロットに分かりやすい形式で提示します。この技術により、空対空戦闘だけでなく、地上目標の追尾や戦況の全体把握が可能となっています。
2つ目 内部兵器倉の設計 ステルス性を維持しながら、多様な兵器を搭載できるように設計されています。空対空ミサイルや精密誘導爆弾など、用途に応じた兵器を柔軟に選択できます。
3つ目 強力なエンジンによる柔軟性 プラット&ホイットニー製F119エンジンは、地上攻撃や長距離作戦時でも十分な推力と効率を提供し、複数の任務を遂行する余裕をもたらします。
4つ目 電子戦能力 自らの通信を守る電子防護能力や、敵のシステムを妨害する能力が組み込まれており、電子戦支援を含む任務に対応可能です。
5つ目 多様なミッションをサポートするソフトウェア 高度にプログラムされたミッション管理ソフトウェアが搭載されており、作戦中の任務変更にも迅速に対応できます。
6つ目 ステルス性能の多用途性 ステルス設計は空対空戦闘だけでなく、地上攻撃や敵防空網突破といった幅広いミッションで役立ちます。

このように、F22は色々な特徴があるので戦闘上で有利なのです。
ここからは具体的なコストや重さを紹介します。

  1. 大きさ

全長は約19メートル、翼幅は約14メートル、高さは約5メートルです。

  2.重さ
機体の基本重量は19700kgで、最大離陸重量38000kgです。
  3.コスト
一機あたりの製造機コストは200億円以上で、運用コストは1時間あたり約920万円で、
メンテナンス費用は年間13億円です。

このようなコストの高さから2011年に製造が終了しています。

F22の派生型

1.F-22B 複座型(2人乗り)として計画されていましたが、予算削減やシミュレーターの進化により、実現しませんでした。

2.FB-22 長距離爆撃機型として提案されました。このモデルは、ステルス性能を維持しつつ、より多くの爆弾を搭載できるように設計される予定でしたが、開発は中止されました。

3.輸出型F-22 他国への輸出を目的としたバージョンも検討されましたが、アメリカ政府の政策により、F-22の輸出は禁じられています。
では、今回のF22の紹介は以上です。
ずいぶん長い文章になってしまいましたが、
ご覧いただきありがとうございます。