A350ってどんな旅客機?

今回はA350について紹介したいと思います。
A350は2000年代のにエアバス社によって開発された次世代旅客機で、
これまでに602機が製造されました。構造と素材、航続性能と運用性、客室の快適性、
環境性能、先進技術を兼ね備えている旅客機です。
そんなA350をもっと詳しく説明していきます。

A350で起きた事故

羽田空港地上衝突事故

2024年1月2日、羽田空港で日本航空のA350-900(JAL516便)が着陸直後、滑走路に誤って進入していた海上保安庁機と衝突・炎上しました。JAL機は全損となりましたが、乗客・乗員379人全員が脱出し生還しました。一方、海保機では5名が死亡し、機長のみが生存しました。事故原因は、海保機が滑走路進入許可を得ていなかったことと、管制官がそれに気づかなかったことです。この事故はA350として初の全損事故であり、航空安全体制の見直しが進められています。

A350の特徴

ここではA320の特徴とそれが実現できる理由を説明します。

特徴

 1.構造と素材

ー炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を53%使用。軽量で高強度、腐食に強い。
ーチタンやアルミリチウム合金も採用。耐久性と軽量化のバランスを実現。

 2.航続性能と運用性

- 航続距離最大15,000km以上超長距離直行便(例:シンガポール〜ニューヨーク)に対応。
- ETOPS 370認証・大西洋横断など、エンジン1基でも最大6時間以上の飛行が可能。

3.客室の快適性

-機内気圧 地上6000フィート相当。耳詰まりや疲労感を軽減。
-湿度が高めに保たれる。乾燥を抑え、快適な環境。
-静音性が高い。エンジンや空調の騒音を大幅に低減。
-広いキャビン幅(5.61m)エコノミーでも18インチ幅の座席を9列配置可能。

 4.環境性能

-燃費性能が従来機より25%向上。CO₂排出量も大幅削減。
-ロールス・ロイス製「Trent XWB」エンジンで、高効率・低騒音・低排出。

 5.先進技術

-フライ・バイ・ワイヤ制御。操縦安定性と安全性を向上。
-大型LCDディスプレイのグラスコックピット。パイロットの視認性と操作性を強化。
-ムードライティング(1670万色)。時差ボケ軽減やブランド演出に活用。

理由

1.構造と素材

 主構造の53%に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用。これにより軽量化と高強度を両立し、燃料消費を大幅に削減。

2.航続性能と運用性

ロールス・ロイス製Trent XWBエンジンが低騒音設計。さらに、設計の最適化*ウィングレットや翼形状)により風切り音も低減。

3.客室の快適性

機体素材のCFRPは腐食に強く、湿度を高めに保てる。また、機内気圧を地上6000フィート相当に維持する加圧システムを搭載。

4.環境性能

胴体断面が卵型(オーバル)で、同じ幅でも圧迫感が少ない。5.61mのキャビン幅により、エコノミーでも18インチ幅の座席を9列配置可能。

5.先進技術

軽量構造+高効率エンジン+大容量燃料タンクにより、最大17,964km(ULR型)の航続距離を実現。

ここからはA350の具体的な重さやコストを紹介します。

全長

約66.8m

全幅

約64.8m

全高

約17.1m

最大離陸重量

約280t

空虚重量

約134t

最大着陸重量

約207t

製造コスト

約430億円

運用コスト

1時間あたり約130万円

メンテナンス費用

年間約5億円

A350の派生型の見分け方

-900(前方の窓が15個)

-941 よく見る

-942 あまり見ない

-1000(前方の窓が22個)

-1041 ほぼ見ない

-1042 よく見る
では、今回のA350の紹介は以上です。ご覧いただきありがとうございました。