F4ってどんな戦闘機?
今回はF4について紹介したいと思います。
F4は1960年代に開発された第3世代戦闘機です。
時代を象徴する機体として人気になったアメリカの戦闘機で、
2024年時点で5100機ほどが製造されました。
愛称はファントムⅡで、幽霊などを意味します。
多用途性、高い搭載能力、双発エンジン、
複座設計、全天候能力、長い運用期間を
兼ね備えている多用途戦闘機です。
そんなF4をもっと詳しく説明していきます。
F4に搭載しているミサイルは?
空対空ミサイル
1.AIM-7 スパロー
- 中距離空対空ミサイルで、セミアクティブレーダー誘導方式を採用。
- 主に航空機同士の中距離交戦で使用。
2.AIM-9 サイドワインダー
- 短距離赤外線誘導ミサイルで、近距離戦闘やドッグファイトに適用。
- 高い命中精度を誇ります。
空対地ミサイル
1.AGM-65 マーベリック
- 地上目標を攻撃するための精密誘導ミサイル。
- 戦車や防御施設への攻撃に使用。
2.AGM-12 ブルパップ
- 短距離空対地ミサイルで、爆撃支援に利用可能。
対艦ミサイル
1.AGM-84 ハープーン
- 海上目標を攻撃するための対艦ミサイル。
- 艦艇や船舶に対して高い効果を発揮。
F-4は汎用性の高さから多様なミサイルを運用可能で、空対空・空対地任務のどちらにも対応しました。
F4の詳細と特徴
ここからはF4の特徴とそれが実現できる理由を紹介します。
特徴
1. 多用途性
- 艦上戦闘機として設計され、戦闘爆撃機や偵察機としても運用可能。
- 空対空戦闘、地上攻撃、偵察任務など幅広いミッションに対応。
2. 高い搭載能力
- 強力なエンジンにより、大型の兵器や燃料タンクを搭載可能。
- 最大8,400kgの兵器を搭載できる能力を持つ。
3. 双発エンジン
- ジェネラル・エレクトリック製J79ターボジェットエンジンを2基搭載。
- 高速飛行と信頼性を提供。
4. 複座設計
- パイロットとレーダー操作員の2人乗り設計。
- レーダー操作を専門とする後席搭乗員がいることで、効率的な戦闘が可能。
5. 全天候能力
- 高度なレーダーと電子機器を搭載し、昼夜問わず作戦を遂行可能。
- 雨や曇りなどの悪天候でも運用可能。
6. 長い運用期間
- 1950年代に開発され、冷戦時代から現代まで多くの国で採用。
- 約5,200機が生産され、世界中で運用された。
F-4はその汎用性と信頼性の高さから、冷戦期の代表的な戦闘機として評価されています。
理由
1つ目の特徴の理由
F-4は設計段階から「多用途性」を目標に開発されました。艦上運用を念頭に置きつつ、空対空戦闘、地上攻撃、偵察など、多様な任務に対応できる柔軟なフレームと電子装備を持っています。また、複数の兵器を搭載可能なハードポイントが豊富に用意されています。
2つ目の特徴の理由
強力なGE J79ターボジェットエンジンを2基搭載し、推力重量比を向上。これにより、大量の兵器や燃料を搭載しながら高い性能を維持可能となりました。また、機体設計には強度を持たせ、大型爆弾やミサイルを運用できるようにしています。
3つ目の特徴の理由
ジェネラル・エレクトリック製J79エンジンは信頼性が高く、高速飛行を支えるための推力を確保。双発構造にすることで、片方のエンジンが故障しても飛行を続けられる冗長性が確保されています。
4つ目の特徴の理由
後席にレーダー操作員を配置することで、パイロットは操縦に専念可能。これにより、長時間のミッションや複雑な戦術行動中でも高い効果を発揮できる運用設計となっています。
5つ目の特徴の理由
強力なレーダー(APQ-120など)や電子機器を搭載しているため、悪天候や夜間でも高精度の目標検知と攻撃が可能。また、レーダー誘導ミサイル(AIM-7 スパロー)を運用する能力により、視界に依存しない作戦行動を実現。
6つ目の特徴の理由
設計が堅牢でメンテナンス性に優れているため、長期にわたる運用が可能。さらに、新しい技術や装備を容易に統合できる柔軟なフレーム構造により、多くの国で近代化改修が施されてきました。
F-4ファントムIIは、設計思想と工学的な実現方法が優れたバランスで組み合わさり、冷戦期を通じて幅広く活躍しました。
F4の派生型
1. F-4A
- 初期型で試験および評価用に使用。少数のみ製造されました。
2. F-4B
- アメリカ海軍と海兵隊向けの最初の本格的な生産型。
- 艦上運用能力を備え、空対空・空対地任務に対応。
3. F-4C
- アメリカ空軍向けに改良されたモデル。
- 空軍の運用要求に応じ、空中給油システムや電子機器が変更されています。
4. F-4D
- F-4Cを基にした改良型で、電子機器のアップグレードにより精密誘導兵器を運用可能。
5. F-4E
- 内蔵20mm M61 バルカン砲を搭載し、接近戦能力を強化。
- アビオニクスとエンジンも改良されました。
6. F-4G ワイルド・ウィーゼル
- 敵の防空システムを破壊する電子戦用改良型。
- 対レーダーミサイル(AGM-88 HARM)の運用能力を備えています。
7. RF-4B/C/E
- 偵察型で、機首にカメラを搭載し、武器を持たない設計。
- 各モデルはそれぞれ海軍(RF-4B)、空軍(RF-4C)、および輸出仕様(RF-4E)向け。
8. F-4J
- アメリカ海軍向けの改良型で、レーダーとアビオニクスが強化。
- 機体構造が強化され、運用性能が向上。
9. F-4K/M (FG.1/FGR.2)
- イギリス向けに改良された派生型。
- 航空母艦と地上運用の両方に対応。
10. F-4S
- F-4Jのアップグレード版で、エンジン、レーダー、および機体強化により性能が向上。
これらの派生型により、F-4は様々な任務や国際的な運用ニーズに対応できました。
では、今回のF4の紹介は以上です。
ご覧いただきありがとうございました。