EuroFighterってどんな戦闘機?

今回はEuroFighterについて紹介したいと思います。
EuroFighterは1990年代に開発された第4.5世代戦闘機です。
デルタ翼を採用しているヨーロッパの戦闘機で、
2024年時点で800機ほどが製造されました。
愛称は、タイフーンで台風を意味します。
高い機動性、強力なエンジン、最新のアビオニクスとレーダー、
高いステルス性、多用途性を兼ね備えている多用途戦闘機です。
そんなEuroFighterをもっと詳しく紹介していきます。

EuroFighterに搭載しているミサイルは?

 空対空ミサイル

-MBDA ミーティア(Meteor)

長距離空対空ミサイルで、ラムジェット推進により高い速度と射程を確保。  

-AIM-120 AMRAAM

アメリカ製の中距離空対空ミサイルで、BVR(視程外戦闘)に対応。  

-IRIS-T

 近距離空対空ミサイルで、高い機動性と赤外線誘導を備える。  

-AIM-9 サイドワインダー

近距離戦闘用の赤外線誘導ミサイル。  

 対地攻撃ミサイル

-Brimstone

 精密誘導対地ミサイルで、移動目標に対する攻撃能力が高い。  

-Storm Shadow

 長距離巡航ミサイルで、敵の防空網を突破可能。  

-AGM-88 HARM

対レーダーミサイルで、敵の防空システムを無力化。  

対艦ミサイル

-Harpoon

 海上目標に対する攻撃用のミサイル。  

-Marte ER

イタリア製の対艦ミサイルで、精密攻撃が可能。  

ユーロファイターは、これらのミサイルを搭載することで、制空戦闘・精密攻撃・防空制圧など幅広い任務に対応できます。

EuroFighterの特徴

ここではEuroFighterの特徴とそれが実現できる理由を紹介します。

特徴

1. 高い機動性

- カナードデルタ翼を採用し、優れた旋回性能を実現しています。  
- 強力なエンジン推力対重量比により、迅速な加速と高い運動能力を確保しています。  
- 高い迎角でも機体の安定性を保つ設計になっています。  

2. 強力なエンジン

- 「Eurojet EJ200」ターボファンエンジンを2基搭載しています。  
- 推力はそれぞれ15,000ポンド(67 kN)で、超音速飛行が可能です。  
- スーパークルーズ(超音速巡航)機能を持ち、アフターバーナーなしでMach 1.2以上を維持できます。  

3. 最新のアビオニクスとレーダー

- CAPTOR AESAレーダー(後期型)により、長距離の目標を探知できます。  
- 電子戦システム(DASS)が搭載されており、敵のミサイルを検知・妨害できます。  
- ヘルメットマウントディスプレイ(HMD)を使用することで、パイロットは視線を向けるだけでミサイルをロックできます。  

4. 高いステルス性

- レーダー反射断面積(RCS)の低減により、探知されにくくなっています。  
- 材料と設計により、敵レーダーの探知を最小限に抑えています。  

5. マルチロール戦闘機

- 空対空戦闘(ドッグファイト・迎撃・防空)。  
- 空対地攻撃(精密爆撃・地上目標の制圧)。  
- 偵察・電子戦支援にも対応できる汎用性の高さを持っています。  

ユーロファイター タイフーンは、空対空戦闘能力に特化しているものの、近年は空対地能力も強化されており、欧州各国で主力戦闘機として運用されています。

理由

1. 高い機動性

-カナードデルタ翼の採用

 カナード(前翼)は機体のピッチ制御を補助し、旋回時の機動性を向上させます。  

-不安定設計 

ユーロファイターは静的安定性が低く、これにより瞬時に姿勢を変更できるため、機敏な機動が可能です。  

-デジタル・フライ・バイ・ワイヤ(FBW)

電子制御により最適な機体姿勢を維持し、パイロットの負担を軽減します。  

2. 強力なエンジン 

-Eurojet EJ200ターボファンエンジン 

低バイパス比でありながら高推力を発揮し、高速域でのパフォーマンスを最大化します。  

-スーパークルーズ能力

高効率の燃焼設計により、アフターバーナーなしでも超音速巡航が可能です。  

-軽量構造

 機体自体が軽量設計のため、推力対重量比が優れ、瞬間的な加速性能を確保できます。  

3. 最新のアビオニクスとレーダー

-CAPTOR AESAレーダー

アクティブ電子走査アレイ(AESA)技術により、高精度・長距離探知が可能です。  

-ヘルメットマウントディスプレイ(HMD)

目線を向けた目標に対して即座にロックオンできるため、空対空戦闘で有利になります。  

-DASS(Defensive Aids Sub-System)

 敵の電子戦攻撃を妨害し、ミサイル回避のための警告・対抗策を提供します。  

4. 高いステルス性  

-レーダー反射断面積(RCS)の低減

機体表面の形状を工夫し、レーダー反射を最小限に抑えています。  

-RAM(Radar Absorbent Material)塗装

電磁波吸収塗料を使用し、敵レーダーの探知を困難にしています。  

-排気ノズルの形状最適化

 赤外線の放射を抑え、敵のIRST(赤外線捜索追尾システム)による探知を回避します。  

5. マルチロール戦闘機としての能力

-モジュラー型兵装システム

 空対空、空対地、電子戦などさまざまなミッションに対応する柔軟な兵装を搭載できます。  

-データリンクシステム

味方機や地上部隊とリアルタイムで情報共有し、戦術的な連携を強化します。  

-コンピューター制御によるミッション自動調整

 兵装搭載の変化や任務に応じて、最適な飛行性能を維持できます。  


ユーロファイター タイフーンはこれらの技術の組み合わせによって、戦闘機としての高い性能を実現しています。
ここからはEuroFighterの具体的なコストや大きさを紹介します。

基本仕様

-全長

約15.96m  

-全幅

約10.95m  

-全高

約5.28m  

-空虚重量

約11,000kg  

-最大離陸重量

約23,500kg  


コスト関連

-製造コスト

約9,000万ユーロ(機体単体) 

-運用コスト

1時間あたり約18,000~20,000ドル(推定) 

-メンテナンス費用

詳細なデータは公開されていませんが、欧州各国の運用報告によると、F-35よりも維持費が高いとされています。  

ユーロファイターは高性能な戦闘機ですが、運用コストが高いため、各国の空軍は維持費の削減に向けた改良を進めています。

EuroFighterの派生型

トランシェ(Tranche)シリーズ

ユーロファイターは「トランシェ」と呼ばれる段階的な改良を経て進化しています。

- Tranche 1(初期型)

基本的な空対空戦闘能力を備えたモデルです。

- Tranche 2(改良型)

空対地攻撃能力が追加され、電子戦装備が強化されています。

- Tranche 3A(最新型)

AESAレーダー搭載、兵装の拡張、航続距離の向上が図られています。

- Tranche 3B(計画中)

さらなる電子戦能力の強化と次世代兵装の統合を予定しています。

ユーロファイターEK

ユーロファイターEKは電子戦機型であり、敵のレーダーを妨害し、欺瞞を行う能力を持っています。ドイツ空軍向けに開発されており、電子戦能力を強化した仕様になっています。

輸出仕様

各国向けに異なる仕様が存在しており、例えばサウジアラビア、オマーン、カタール向けのモデルは独自の兵装やアビオニクスを搭載しています。

ユーロファイターは、運用国のニーズに合わせて進化を続けています。
では、今回のEuroFighterの紹介は以上です。
ご覧いただきありがとうございました。